ベトナム株 週間まとめ(2024/10/21~10/25)

総評

・VNINDEX:1,338.25→1,306.53(-2.37%)
・ポートフォリオ:1,896,973円→1,855,521円(-2.19%)
強い米国経済に加え、トランプ氏優勢による金利先高感からVNDは対ドルで弱い動き。24日に3ヶ月ぶり為替介入実施により通貨安抑制
ポートフォリオはVN100とほぼ同じ動きでした

主要ニュース

①ベトナム経済、2025年に5,000億ドル到達見通し
https://en.vietstock.vn/2024/10/vietnams-economy-forecasted-to-reach-500-billion-by-2025-38-589295.htm…
・2020年比1.45倍、世界33位、ASEAN4位に成長見込み
・2023年のGDPは4,330億ドル、今年の成長率は+約7%予測
1人当たりGDPは2025年に4,900ドルへ
・2030年のGDP目標は約8,000億ドル、約7,600ドル/人に

②中小企業(SME)のグローバルバリューチェーン上流進出支援を貿易省が提案
https://en.vietstock.vn/2024/10/trade-ministry-proposes-helping-smes-move-up-global-value-chains-974-589279.htm…
・国家政策による、SMEの生産能力向上、国内サプライヤーや直接輸出業者との連携支援を提言
・加工組立からオリジナル機器メーカー(OEM)やオリジナルブランドメーカー(OBM)に転換促進
・ベトナム企業の付加価値は00年69%→20年52%に減少。他新興国で見られないレベルの低下
・輸入に依存し、最終製品の加工組立拠点として先進国輸出に従事
・加工組立の輸出額は00年の30億ドル(総輸出の21%)から22年には1715億米ドル(同48%)に増加し、競合国を上回る割合
・加工製造業の生産能力向上が遅れ、グローバルバリューチェーンにおける高付加価値分野進出が困難
・工業部門は他部門より労働生産成長が低く技術革新も少ない。労働者の28%が技術的資格を持たない
・加工製造業では低技術産業が70%を占め、世界平均18%を大きく上回る
海外からの投資(工場建設)により、グローバルチェーン内で低付加価値の中間製品を単純労働で生産している現状を示唆した記事
ポスト中国の役割を顕著に引き受けているとも言えます。世界の工場としての中国の成長を顧みると、そこまで懸念すべき状況ではなさそう。まずは海外からの投資(工場)を集め、技術を国内に蓄積。そこから中国のようにビジネスの作り手(上流)に進出していけるか、政府の舵取りも重要。

③IMFが2025年世界経済予測を公表
https://vietnamnews.vn/economy/1665506/imf-projects-viet-nam-s-economic-growth-to-hit-6-1-per-cent-in-2025.html…
<ベトナム経済予測>
・GDP成長率:6.1%。東アジアで最高
・GDP規模:5,000億ドルで世界33位、ASEAN4位
・一人当たりGDP:4,900ドルに成長し、21年から31.7%増加
・CPI:+3.5%、24年比-0.6%​
・失業率:2.0%、24年は2.1%
<世界経済について>
・世界経済見通し:GDP成長率3.2%
・リスク要因:関税の上昇や報復的な貿易措置が2025年に激化する可能性あり
・米国、EU、中国間の関税が10%上昇した場合、2025年の世界GDPは0.8%減少する可能性
ベトナム経済への成長期待は引き続き高いとのIMF予測
もし貿易関税強化により世界経済が減速した場合、米中との貿易に依存するベトナムにも短期的には悪材料。ただ、中長期で見れば脱中国が進み、ポスト・チャイナを狙うベトナムには好材料かも。米中対立がどう市場に影響するか、要注視

④計画投資省がホーチミンを国際金融センターにする計画を発表
https://en.vietstock.vn/2024/10/mpi-proposes-turning-hcm-city-into-international-financial-hub-38-588866.htm…
・2035年に国際金融センター、2045年以降に世界トップ20へ
・2025年末施行の金融センター法が外国投資促進の法的基盤に
・主要国際銀行の半数、200以上の投資ファンドや資産管理会社を誘致
こうした計画がどこまで順調に進むかは謎だが、海外からの投資に門戸を開くことで金融システムの合理化や投資マネーが増加 株価の上昇にはいい影響がありそう

保有銘柄関連情報

【IMP】2024Q3決算発表
・前年同期比収益+17%、純利益+4%(当初予想-1%に対し+5%)
・今年累計で収益と税前利益目標の+65%、+59%を達成
・処方薬の成長(+47%)とOTCの回復(+8%)
・管理費用が46%増加し、前年同期比で営業利益率-50BP、純利益率-160BP
・工場建設を発表。投資額はVND1.5兆、28年完成予定
10月に15%の株価急落を記録しているIMP😭
製薬会社の高利益成長は研究開発費(管理費用)がキモなので、利益率減少は将来への投資として不可避。利益率を下げながらも収益利益成長は維持しているのも評価すべき点 ただ、最近の株式市場の停滞と米利下げ期待減退により、グロース銘柄には厳しい環境🤔

日次パフォーマンス

2024/10/21(月)ベトナム株式市場
・VN100指数 1,333.41(-0.36%)
・ビングループ関連の好業績で不動産は上昇したが、他セクターは全て下落
・国家主席(序列2位)にルオン・クオン氏が選出
・証券法改正案では社債やIPOの要件を緩和し、ロックアップ期間を3年に設定

2024/10/22(火)ベトナム株式市場
・VN100指数 1,324.86(-0.64%)
・終日売り圧力に押され最終時間帯に急落
・VND高や国家銀行の流動性引き締め報道により市場心理悪化
・MWGはVNDiamondインデックスへの再組入れで上昇
・国会で国家予算見通しに関する議論 “債務対GDP比率が130%を超えることへの懸念”
>2018年に債務対GDP比は130%を超え、急速な銀行業界の成長が経済規模に対して過剰であるとの声あり
>特に公的部門や不動産市場に多くの資金が向けられ、民間部門、特に中小企業への融資が制約されている問題があるhttps://mbs.com.vn/uploads/files/TTNC/EquityResearch/baocaonganh/BANKING_Update_20200520_MBS_EN.pdf…
債務対GDP比130%は、一部のOECD諸国と同等レベル。フロンティア経済は先進国よりも不安定なので、不動産市場下落時のリスクは高いといえます。それを懸念して政府は不動産業界の不正取り締まりや規制強化を推進中
中国も韓国も不動産で成長してきたので、GDP成長だけ見れば有効な施策ではあるけど、、

2024/10/23(水)ベトナム株式市場
・VN100指数 1,327.65(+0.21%)
・不動産が長期調整を経て反発
・エネルギー株は中国の原油輸入枠拡大を受けて回復
・屋上太陽光発電促進の政令135施行、100kW以下は許可不要に

2024/10/24(木)ベトナム株式市場
・VN100指数 1,310.55(-1.29%)
・ベトナム国家銀行がドル売却。為替リスク懸念が高まり市場急落
・STBやVingroup関連は利益確定売りで大幅に下落
・これに伴い金融・不動産が6割占めるVNINDEXは下落
・国庫は2.4億ドルの購入を発表

2024/10/25(金)ベトナム株式市場
・VN100指数 1,306.53(-0.31%)
・為替リスクや株価支援ニュースの欠如、指数1,300突破見通しが暗くなり、取引量はさらに低下
・為替介入後、VND安の動きは一旦収束
・翌日物金利4.0%に上昇。中央銀行は月初から約500Mドル吸収

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