[総評]
・VN100指数:1,319.60→1,296.08(-1.78%)
・11月の初めにアメリカ大統領選でトランプ氏当選
・貿易関税の導入や金利高への懸念から月の半ばまで指数下落続く
・月後半は夏以降売り越しを続けていた外国人投資家が買い越しに転じ、指数も持ち直す
[業種別分析]
○農産物
農産物をはじめとした第一次産業の輸出が伸びているため、好業績期待
○情報技術
好業績期待とアメリカのテック株の上昇に支えられる
✕小売
携帯電話やPCなどの電子機器を中心に販売がベトナム国内の消費者需要が減退
✕鉱業・資源
トランプ氏の公約であるアメリカでの化石燃料生産拡大見通し、イスラエルとレバノンの停戦合意などを受け、原油を中心に資源価格が下落
[個別銘柄分析]
○DXS:不動産。第3四半期決算で純利益が前年同期比+9.5%。夏以降の下落から反発
○TLG:文房具メーカー。第3四半期で純利益が前年同期比+25%と大幅増
✕PPC:火力発電所の運営会社。第3四半期決算では前年同期比で売上増加にもかかわらず純損失に転落し、失望売り
主要ニュース
①ベトナムの輸出額、2023年は世界主要国で23位
https://en.vietstock.vn/2024/11/viet-nam-named-among-the-30-largest-export-economies-974-592364.htm…
・世界貿易機関(WTO)によると、2023年の世界の輸出総額は23.8兆米ドル(前年比-5%)
・世界の主要輸出国30カ国のうち約20カ国は過去1年間で輸出額の減少を記録。2015年以降、世界の貿易制限措置は約5倍に増加し、2023年にはほぼ3000件に達した
・ベトナムの2023年の輸出総額3,540億ドルで世界23位。全体の1.5%を占めるも、2022年と比べて4.6%減少
<ベトナムの輸出が「減少」した製品群>
携帯電話/部品-56.1億ドル、繊維・衣料品が-42.7億ドル、履物-36.6億ドル、機械設備/工具/部品-26.2億ドル、木材・木製品-25.4億ドル、海産物-19.5億ドル、化学品/製品-7.5億ドル
<ベトナムの輸出が「増加」した製品群> 果物・野菜+22.4億ドル、車両/部品+21.7億ドル、米+12.2億ドル、カシューナッツ+5.58億ドル
<中国が輸出額で世界トップ>
・保護主義の高まりや世界的な貿易障壁にも関わらず、2023年の中国の輸出総額は3.4兆ドル。アメリカを約1.4兆ドル上回る
・特にアメリカへの輸出額は5000億ドルに達する
・輸出額が平均10%減少するも、高い生産能力を維持し、関税の波やサプライチェーンの不確実性を乗り越える回復力を示す
<アメリカも輸出が好調>
・アメリカは国内エネルギー生産拡大により輸出が増加し、2023年は650億ドルのエネルギー純黒字を達成
・アメリカは世界第2位の物品輸出国であり、輸出総額は約2兆ドルに達する
2023年の輸出額は世界的に減少していて、経済の減速が懸念されます。ベトナムも一次産業品の輸出が伸びるも、加工組立型製品を中心に全体では減少。米国の貿易関税が加わるとさらなるブレーキが、、、 一方で楽観的な見方をすると、中国が依然として世界で圧倒的な量のモノを供給していることがわかります。なんとベトナムの10倍の輸出額。個人的には、貿易関税によって中国からベトナムに輸入先シフトする余地が、まだかなり残されていると考えています。
②ベトナム、過去最高の鉄鋼輸入量に10億ドル以上を費やす
https://en.vietstock.vn/2024/11/viet-namspends-more-than-10-billion-to-import-record-volume-of-steel-970-592412.htm…
・ベトナムは今年の10か月間で約1,500万トンの鉄鋼を輸入し、金額で104.8億米ドル
・安価な鉄鋼の流通で競争力を失っている国内産業にとって新たな懸念材料
<ベトナムの鉄鋼輸入>
・10月には241万トン(15.1億ドル)を輸入し、前月比で+55.9%、輸入額は41.7%と大幅な増加
・10月までの年間累計では、輸入量が38.2%増、輸入額が23.2%増加
・特に最大の輸入先である中国からの輸入増が顕著で、量が58.9%増の1,016万トン、額が43.2%増の63.7億ドル
・日本は2番目の輸入先で170万トン(4.6%増)、次いで韓国が105万トン(15.3%増)。これら3カ国でベトナム全体の鉄鋼輸入の87.76%
・ベトナムの鉄鋼輸出額は79.6億ドルにとどまり、貿易赤字は31億ドル
<ベトナム国内の鉄鋼生産>
・2024年通期の国内鉄鋼生産量は3,000万トンに達する見込みで、2023年比で7%増加
・中国製の安価な鉄鋼との競争が激化し、依然として厳しい状況に直面
<中国の影響>
・中国では国内需要の低迷を背景に輸出が拡大。今年1~9月、中国の鉄鋼輸出量は21.2%増の8,070万トンに達したが、輸出額は5%減少。価格競争力の高さが伺える
・世界的に中国の安価な鉄鋼の影響で保護主義が強まり、中国製ステンレス鋼は世界102以上の貿易防衛措置の対象に
・ベトナムも7月26日にインドおよび中国から輸入する特定の熱間圧延鋼製品に対する反ダンピング調査を開始
<需要回復への期待>
・ベトナム国内経済、とりわけ不動産市場の復調により、2024年の鉄鋼生産量は10%、2025年は8%増加する見込み
・不動産関連法の施行や公共投資の加速がボトルネックを解消し、不動産市場の発展を促進
・公共投資の執行率は10月末時点で52.29%にとどまるが、政府は今年の目標達成(95%以上)を目指している。2025年には今年よりも多い31.18億ドル相当の公共投資を計画
<外国直接投資(FDI)の影響>
・2024年のFDIの実行額は195.8億ドル(前年比8.8%増)。2024年のFDI誘致額は390~400億ドルに達する見込みで、来年以降も増加傾向が続くと予想
中国の鉄鋼輸出が強くベトナム国内の鉄鋼メーカーには逆風も、建設不動産などは原材料安の好材料。鉄鋼需要が増加してるのも国内景気の復調のシグナルですね
主要投資商品の分析
月間パフォーマンス(主要投資商品との比較)
主要投資商品20銘柄にポートフォリオと同じペースで少額積み立てしています。この競合ひしめくなかでNo.1になるのが目標💪
さて、2024年11月のパフォーマンスは、、
2ヶ月連続で19位😭そしてビットコインが上昇しすぎ笑
暗号通貨はトランプ政権下で規制緩和が期待されているため、大統領選の結果を受けて大幅に上昇
株式だと上昇しているのは米国株メインの投資信託で、新興国株型は軒並み下落
トランプ政権による貿易関税や金利高が、特にアメリカへの輸出への依存度の高い新興国には逆風になると評価されています。
通算パフォーマンス(主要投資商品との比較)
20銘柄中[18位]
先月から1アップ!
株式だと元本割れしていないのは米国株メインだけ。全体として株式にはハードな環境です。
今月後半に向けて混乱が収まり、大きく株価を下げた銘柄に徐々に持ち直しの動きが見られたので、12月のパフォーマンスは期待できそうです(願望)
保有銘柄別パフォーマンスと決算発表
月柱はIMPが大きく下落しましたが、月末にかけて調整で持ち直し。動きはまばらながら、だいたい同じくらいで落ち着いてます。
全部元本割れしているのは悔しい!
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